ステロイド剤の副作用に苦しむ方のアトピーサイト



●私のアトピー体験談

〜副作用とリバウンドで苦しんだ高校時代〜


1995年4月。地元の高校に進学し、新たな学校生活が始まりました。


新しい環境と人間関係に不安もありましたが、何よりも不安だったのはアトピーの事。
やはり、受験のストレスの影響はかなりあったのか、症状はすごく悪かったのです。


当時、ステロイド剤は一番強いと言われたものをほぼ全身に、毎日使用していました。
頭、顔から首、両手に両腕、お腹から背中、両脚まで塗っていました。


学校では私以外にも同じ悩みを抱える生徒もいました。 中には、学校を退学した生徒も何人かいたのです。
おそらくアトピーが悪化した為に、周りの目を気にしてしまって辞めたのでしょう。
私には、その辞めていった生徒達の気持ちが、痛いほど分かっていたものでした。


もちろん私も彼らと同じように、学校を辞めたいと思った事は何度もあったのです。


高校一年の頃はステロイド剤無しの生活など、とても考えられませんでした。
もうこの頃は、使用したところでアトピーが良くなっていく事はなかったのですが、それでも薬を塗ればわずかの時間は痒みから開放されていたのです。 それだけでも私にとって、ステロイド剤は重宝したものでした。


とにかく痒みだけでも凌げればいい。
良くなる事は無いと分かっていても、辛い痒みを抑える為には片時も手に離せない物になっていました。
もう、麻薬に近いものだったのです。


けれど、私にはそれよりもずっと辛かった事がありました。
それは、私が思った以上に周りの目が冷たかったということ。


当時はまだ高校生だったという事もあり、人の容姿を見ては心無いことを言う生徒もいたのです。 私もその被害者の一人でした。もちろんアトピーのことです。 友達は何人かいましたが、友達ではない生徒からは「顔がひどい」「汚い」と、裏で言われたこともありました。


アトピーで苦しんでいたのは私だけではなく、学年で数人、見て分かるくらいに、薬の副作用が現れている生徒がいました。 彼らも心無い生徒から「顔ひどいけど、どうしたん?」「学校くんな!」とまで、言われた事もあったくらいでした。


実際、このようにアトピーが原因でいじめに遭い、学校を辞めた生徒も何人かいました。
こんなにひどく悲しい事を近くで目の当たりにしてしまうと、私もいつ同じような事を言われないか、 毎日ビクビクしながら仲の良い友達からは離れられないような学校生活を過ごしていました。


良い友達だった事もあり、学校に入学した頃から冬休みに入るまではまだ良かったのです。
本当に辛い時期が来るのは、これからでした。


この年の秋、私の母がある週刊誌を見て「ステロイド剤を使用し続けたアトピーの患者に、副作用で苦しむ人が急増している」と、言った記事を見つけました。 丁度、私もこの頃とあるニュースで、ステロイド剤の副作用で苦しむ人のドキュメントの番組を見かけたのでした。


その番組に出演した患者の体は、もう想像を絶するくらいひどいものでした。 私も同じようにひどくなり始めたこともあって、見ていてとても痛々しかったのを覚えています。 この事実を知り、本格的に薬に対する不信感が覚えたのはこの頃からでした。


薬を使用すれば一時の痒みは治まるものの、使用したところで症状は改善される訳でもなく、ますますひどくなる一方。 ステロイド剤を長く使用すると副作用が現れる事実を知り、私はこの年の冬に思い切って薬を止める決心を付けました。 あまりの状態の悪さと痒みのせいで、薬を使用しない日は無いほどでしたから、脱ステする日を事前に決めて覚悟を決めました。


そして、1995年の冬休みを機会に、脱ステを実行しました。
私にとってこの年の冬休みは、生涯忘れられないものになりました。


薬を止めて二日目まではなんとか痒みをこらえましたが、三日目を過ぎた頃は、もう想像を絶する苦しみでした。
薬を塗っていた部位は赤黒くなり、当然、痒みもかなり増してきました。 薬を止めた影響か、薬を塗っていなかった部位までも炎症が広がり、夜は痒みのあまりまともに熟睡できない日々が続いたのです。


おそらく自律神経失調症の状態だったのでしょう。 あまりの痒みで夜に眠れない為、朝方にようやくうつらうつらと眠くなって睡眠を取り、昼頃に起きるという生活の繰り返し。


短い冬休みだけではこの最悪の状態は改善される事もなく、三学期には行きたくもない学校が始まりました。
しばらくはクラスメートからも驚かれた顔でじろじろと見られ、辛い日々が続きました。


クラスメートの一部の生徒からは影で馬鹿にされ、笑われたりもしました。
学校の登下校でさえ、通りすがりの人や電車の中でジロジロと見られては、いつも自分の姿を気にしていました。


周りの目を気にし過ぎてしまう事で、神経も常にピリピリした状態で、身体的・精神的にも相当参ってました。
ただ唯一の救いだったのは、仲のいい友達のグループがその事についてはなにも言ってくれなかったことでした。


いつもと変わらず普通に接してくれたので、それだけですごく助けられた気分でした。
今思っても、私にとってはとてもありがたい友達だったのを覚えています。


そんなグループの助けもあって、私は学校へ通い続ける努力をしました。


副作用に苦しみ、薬を止めてからの一年の学校生活は相当苦しいものでしたが、二年、三年の頃には少しずつ良くなっていきました。 完治はしませんでしたが、副作用に苦しんだ高校生活も無事に終わり、東京での社会人の生活が始まるのでした。


しかし、東京の新しい生活でも、アトピーとの戦いは続く事になります。


                                                                                    

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