ここではステロイド剤の副作用とその症状の変化について、具体的に述べていきます。
初期(軽症)の場合では、ステロイド剤は弱いものでも十分効き目があり、週に一回〜十日に一回程度の部位的な塗布で凌いでいけるでしょう。
しかし、徐々に悪化し、全身に炎症が広がって難治化してくるとそれまでのステロイド剤では効果が弱くなり、
更に強いものへとエスカレートしていくようになります。
使用の間隔が長くなると痒みや炎症が強くなる為、より頻繁に使用することになります。
この繰り返しで薬物依存のアトピーは次第に難治化し、2年〜3年程度で皮膚を始めとする体全体に副作用が認められるように変化していきます。
ステロイド剤は塗った患部にとどまることなく皮下に、血中に吸収され、徐々に体内に蓄積されていきます。
そして、蓄積されたステロイド剤が体の許容量をオーバーする状態までくると、突然のように体の弱い部分に副作用をもたらします。
次第に皮膚の細胞組織が破壊され、皮膚の肥厚(カチカチ・コチコチの状態)が始まります。
毛穴、汗腺は塞がれ、皮膚呼吸がまともにできない部位が多くなってきます。
脱毛や皮脂の減少、爪の変形が始まり、皮膚の分泌・排泄の作用も妨げられることになります。
当然、副腎は外から入ってくるステロイド(剤)を頼ることになり、その産生・分泌の力は更に弱まってしまい、
機能は低下の一途を辿ります。
次第に薬の強さも量もエスカレートし、悪化した症状は塗り薬だけでは抑え切れなくなります。
長期間、副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)が外から投与されることによって、副腎の機能は次第に低下していきます。
しかし、その結果は単なる機能低下に留まらず萎縮が始まり、副腎の不全の状態に陥ることにもなるでしょう。
このような状態になると、どんな強力な薬でも効き目がないことでしょう。
あらゆる薬物を投与して痒みや炎症を抑え込み、体にわずかな快楽を保ち続けた日々と交換に、取り返しのきかない日々が訪れるのです。
一日中、痒みが休むことなく全身を襲い、ほぼ全身血と膿だらけの状態で、掻きむしっては顔や頭を叩く。
物は投げる、周りの人に当たり散らすなど家族にも心配が重なり、睡眠が取れるどころではなくなります。
患者はやがて自室にこもり友人、知人とも連絡を断ち、家族にすら顔を見せず次第に精神異常をきたし、自らの殻に閉じこもってしまいます。
また、このような状態では自殺を図ってしまう人もいるのではないでしょうか。
このような時期、病気に対する抵抗力と抵抗力は確実に低下していますから、感染症にもかかりやすくなり、二次、三次の疾患を併発することにもなるでしょう。
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